一定年齢以上での雇用を保証する代わりに一定年齢または勤続時点から賃金を削減する制度。外貨危機以降、恒常的な構造調整とともに雇用不安定化が深刻化する中で、労働者の雇用保証要求と企業のコスト削減要求を同時に達成できる制度として宣伝されており、特に最近では労働組合側の雇用保証要求に対する経営側の対応手段として注目を集めている。一方、通勤手当及び平均賃金の低下により当該労働者が退職金及び国民年金等で不利益を被る可能性がある点、企業側の人員費削減手段として悪用された場合雇用安定保証の趣旨が無色化する可能性がある点で多くの懸念が提起されている。最近改正された雇用保険法施行令では2006年から3年間限定で賃金ピーク制を導入する事業場に対して当該労働者に対して賃金ピーク制補填手当を支給する方式を導入し、賃金ピーク制導入を積極支援している。
賃金ピーク制補填手当の支給を受けるためには事業場要件として
①少なくとも55歳以上までの雇用保証がなされること
②賃金ピーク制について労働者代表の同意を得て実施しなければならず、実施の有無が団体協約・就業規則等を通じて確認可能であること、及び
労働者要件として
①賃金ピーク制が導入された当該事業主に18ヶ月以上雇用され継続勤務した54歳以上であること
②賃金ピーク制適用直前期賃金に比べて適用後賃金が10%以上削減されたことが充足されなければならない。賃金削減の有無を算定する際は賃金ピーク制適用直前賃金に賃金上昇率を反映する必要があり、賃金ピーク制補填手当はピーク時点と申請時点の賃金差額の1/2を四半期ごとに150万円限度内で支給し、支援期間は最大6年までである。賃金ピーク制補填手当の支給を受けようとする労働者は雇用保険法施行令による賃金ピーク制適用対象であることを証明する書類と賃金ピーク制の導入により導入前と比較して10%以上賃金が減額された事実を証明する書類を添付して事業場所在地の管轄雇用安定センターに手当支給申請を行うこととし、事業主が代わりに申請できるようにした。賃金ピーク制は成果主義賃金制度移行前の過渡期的賃金体系として2008年12月31日まで賃金ピーク制補填手当制度を限定運用するが、2008年12月31日まで補填手当が適用された労働者に対する賃金ピーク制補填手当は可能な支援期間(最大6年)まで支給される。