労働基準法第61条は、一定範囲の労働者に対しては労働基準法の労働時間、休憩、休日に関する規定を適用しないと規定し、労働時間の規制を通じた保護から除外している。
保護から除外される労働者の範囲は労働基準法第61条の各号で定められており、
①土地の耕作、開墾、植物の植え付け、栽培、採取事業その他の農林事業、
②動物の飼育、水産動植物の捕獲、養殖事業その他の畜産、養蚕、水産事業、
③監視又は断続的に労働に従事する者として使用者が雇用労働部長官の承認を得た者、
④事業の種類を問わず管理・監督業務又は機密を扱う業務(労働基準法施行令第30条)がこれに該当する。
言い換えれば、農林水産業に直接従事する労働者と監視・断続的労働者、経営者と一体性のある管理者及び監督者を対象とすると考えられる。 これらの労働者に対して適用が除外される規定は労働基準法第4章と第5章の労働時間、休日、休憩に関するものであるため、基準労働時間(第49条)、弾力的労働時間制及び選択的労働時間制(第50条、第51条)、延長労働の制限(第52条)、休憩(第53条)、週休日(第54条)、延長及び休日労働に対する割増賃金(第55条)、代休暇制(第55条の2)、みなし労働時間制及び裁量労働制(第56条)、労働時間及び休憩時間の特例(第58条)、年少者の延長労働制限(第67条)、女性及び年少者の休日労働制限(第68条)、産後1年を経過していない女性の延長労働制限(第69条)等は適用されない。 しかし、労働基準法第61条で適用を除外するのは「労働時間、休憩、休日に関する規定」であるため、年次有給休暇を始め生理休暇、産前産後休暇等休暇に関する規定は完全に適用される。 また延長労働や休日労働に対する制限規定は排除されるが夜間労働に対する制限規定は排除されないと見なすべきである。 したがって時間外労働に対する割増賃金を規定している第55条の規定のうち夜間労働に対する割増賃金と、第68条の規定のうち女性と年少者の夜間労働制限に関する内容は適用されなければならない。 また労働基準法第61条で適用を除外しているとはいえ就業規則や団体協約によって延長労働を制限したり、週休日及び別途定めた休日を置くことを制限するものではない。